「言いたいこと−あれこれ」
姫井治美



・好 物
 以前に、 岡山に 「吉祥庵」 という蕎麦屋がありました。 町医者が道楽で始めた店で奥様が店に出ておられました。 店は品良く蕎麦は滅法美味く、 奥様も女を感じさせる雰囲気があり、 よく行ったものでした。 その先生が亡くなられて数年後に残念ながら廃業してしまいました。 今はその店の職人が岡山電話局の東裏で 「峠」 という店を出しています。 ここも美味いのですが、 矢張り 「吉祥庵」 とはどこか違いますね。 それはそうと、 あの奥様は今どうしてるのかなあ・・・。
 また岡山に 「讃岐路」 と言う手打ちうどん屋もありました。 見るからに頑固そうな年の往った親爺が黙々と麺を打っていましたが、 うどんに艶と腰があり、 また出汁も美味く良い店でした。知らぬ間に廃業していましたが、 親爺の齢のせいでしょうか。 残念ですね。
 支那そば屋と言えば高校生の頃、 岡山の下宿屋の前を通っていた夜泣きそば屋が懐かしいですねえ。 チャルメラの音が聞こえるのを楽しみにしていました。 その頃から通っている旨い店が岡山駅近くに二軒有ります。
 一軒は 「丸天そば」 で元々は駅の北のガード傍の屋台でした。 下宿屋の親爺に教えて貰いました。 その後、繁昌して近くに屋台風の小さな店を構えました。 今の主人は二代目ですが、営業時間は屋台の頃と同じで午後8時から深夜までです。 ただ残念ながら味は昔の方が良かった様に思いますが。 客筋は旧国鉄の職員、 タクシー運転手、 飲み屋帰りの酔客等色々です。
 もう一軒も先程の店の近くで、 こちらは中国人経営のれっきとした中華料理屋 「広華楼」 です。 五目ラーメンは具の量が多いので有名です。 五目炒きそばも良いですよ。
 我が家では昼食の献立には麺類が多いのですが、 そう料理上手でもない (これは内緒) 家内が作る麺類が結構食べられるのです。 その秘密は素材の良さでしょうか。 蕎麦は卯月正美製麺所 「さがえ蕎麦」 で山形産です。 これが干し蕎麦なのに不思議と街の大方の蕎麦屋の生蕎麦より余程美味しい。 知人に貰って以来、 何年来の付合いです。
 うどんは近くのスーパーで売っている無印の冷凍うどんですが、 これが又そこいらの手打ちうどん屋のうどんと味が大差無い。 これじゃあ、 うどん屋へわざわざ食べに行く価値が無いですね。 と言う事は最近の 「手打ちうどん屋」 はなべて 「手抜きうどん屋」 だと言う事です。 「本職ならもっと本腰を入れてうどんを打て。 だからうどんに腰が無いんだろう」 と喝を入れたいですねえ。 旨い手打ちうどん屋を知っている方は情報提供をお願いします。
 ラーメンはこれ又スーパーで家内が見つけて来た阿藻珍味の 「尾道ラーメン」。 麺も腰も有るし汁もこくが有り、 なかなか旨い。 不思議に下手なラーメン屋の物よりいけるんです。
 小生は麺類の他にはパイが大好きです。 パイはアップルパイに、 パンプキンパイに、 ブルーベリーパイ (特に帝国ホテルのガルガンチュアの物がお気に入り) とパイなら何でも好きですが、しかしなんと言っても一番はオッパイですね。 これで話におちが付きましたようで。

・パソコンの常識
 パソコンを使った事が無い人、 或いは仮に会社で使っていても簡単なデータ入力、 文書作成だけを担当している人には 「パソコンも家電製品と同じで、 買って来てコンセントを差して電源スイッチさえ入れれば、 そのままで直ぐに何の問題も無く使える物だ」 と言う無知による大きな誤解が有る様です。 それが証拠に三年前のあの 「ウィンドウズ95ブーム」 の時にブームに煽られてパソコンを買ってはみたものの、 結局は使えずに多くのパソコンが押し入れの粗大ごみ化しています。
 そうなんです。 実際はパソコンは買っただけでは使えません。 先ず使える様に機械とソフトを準備する過程 (機械同志を電線で接続し、 基本ソフトの設定をする) が必要です。 次に機械とソフトの両方の操作法を覚えなくてはなりません。 ここまででも大変です。 ところがそれだけでは済みません。
 何故なら一般常識から見ると実は 「パソコン用ソフトは全てが欠陥商品なのです。」 その欠陥商品がどうどうと売られていて、 しかもそれが世間で通用しています。 例を挙げれば、 今夏発売の有名なウィンドウズ98で、 また最近発売のマック基本ソフトでも発売直後から不具合が次々に見つけられています。
 だから使用開始後も機械とソフトの不具合が発生する事は決して珍しくありません。 趣味なら構いませんが、 実務で使うには不具合は許されません。 不具合が発生した場合、 試行錯誤で対処法をくり返し、 またインターネット等で不具合と対処法の情報を探し、 それでも解決されない場合は修正版が出るのを待ちます。 修正版が出れば又入れ替えをします。 この面倒な作業を各ソフトについて行います。
 また通常、 大抵のソフトは年一回位の頻度で改良版が発売されます。 しかしソフトと言う物は自分のパソコンで実際に使ってみないと不具合は分かりません。 だから旧版と入替えてみて安定して動作するか確認し、 更に操作手順の変更点を習得しなければなりません。 この作業も結構手間暇かかるものてす。
 以上の様にパソコンを使い、 保守し、 また進歩に合わせて改良するにはかなりの労力が必要です。 この実態を 「パソコンについての常識」 として、 皆さんに紹介しました。

・愛犬 「金太」
 デジタル写真機を買いました。 キャノンの 「パワーショットA5」 です。 ゴルフクラブの様な名前ですが、 小さくて恰好良い奴です。 さて何を撮ろうかと考えて先ず家内に 「お前を撮ってやろう」 と言うと、 「嫌よ」 とあっさりと断られた。 仕方無く愛犬 「金太」 を撮る事にした。 こいつなら何も文句は言わないぞ。
 以前に我が家を訪れたある犬好きの御婦人が金太を見て、 思わず 「金太、 まー可愛い。」 と言いました。 それが小生には 「金玉、 可愛い」 と聞えて吹出しそうになった事が有りました。 その金太だが実は先日、 金玉の腫瘍で手術を受け、 二個とも抜き取られて袋はぺちゃんこになってしまった。 歩いても袋が股間で氷嚢みたいにぶらぶらせず、 空の水枕が暖簾の様に揺れる感じで、何とも様にならない。 でも 「抜いて猶盛ん」 で今もしっかりと我が家のガードワンを務めている。
 参考までに我が家の犬の名前は日本文化の伝統を守り代々、 純和風で 「五六兵衛」 に始まり 「彦左衛門」、 「玉三郎」、 そして 「金太」 である。

・病原生大腸菌感染症
 八月に市内で保育園の簡易プール及び家庭の風呂を介して集団発生した病原性大腸菌感染症がありました。 従って学校等の集団施設では以前問題となった給食だけでなく、 プールも感染経路となり、 又家庭の風呂も家族内の感染経路となり要注意です。
 保育園の園児と園児の家族 (複数の家庭) に集団発生していますが、 発生源は幸いにも保育園の給食ではなくて、 家庭での食事の可能性が大。 従って始りは家庭で病原性大腸菌の付いた食物 (恐らく生焼けの牛肉、 牛もつ) を食べた事が原因の散発例と思われます。
 家庭で発病した病原性大腸菌感染症が、 先ず保育園の簡易プールを介して他の園児達へ経口感染した。 次に保育園で感染した園児から、 今度は園児の家庭の風呂を通じて園児の家族へ経口感染したと推測されます。 簡易プールの水には水道水を使用したが、 水を暖める為に長時間日向に置いていた為に塩素が分解された。 また使用前に塩素系殺菌剤は添加されなかったので感染経路となった。
 そこで感染予防対策として保育園、 幼稚園、 学校ではプールには必ず塩素系殺菌剤を入れる。医療機関で病原性大腸菌感染症患者を診療した時には (当院ではこの一年間に七名いました)、生活上の注意として家庭の洋式便座の消毒、 入浴の禁止 (まさか入浴前に患者さんの尻をイソジンで消毒する様に指導する訳にも行かないので) が必要かと考えます。
 さて病原性大腸菌感染症ですが、 10年近く前のアメリカ合衆国農務省の米国民に対する公式文書にはっきりと感染源は牛肉、 牛の臓物と書いて有るのに、 厚生省は 「かいわれ大根」 以後沈黙して未だに感染源を発表していない。 この為にあれ以来、 国民は生の牛肉を食べて最悪、 死ぬ危険性にずっと晒されている訳です。 下痢をして当院へ来た患者さんと話してみても、 生の牛肉、臓物が感染源だと誰も認識していない。 考えれば恐ろしい事です。
 この様に感染源が分っているのに隠していると、 きっとエイズの非加熱製剤事件の二の舞で将来また厚生省は訴えられる事になるでしょう。 本当に凝りない輩ですなあ。 小生の診た腸管出血性大腸菌感染症の散発例でも問診では全員が発症前1週間以内に牛肉、 牛の臓物を生焼けで食べていましたよ。 最後に川柳を一句、 厚生省のお役人さんへ謹呈しましょう。
腸管出血性大腸菌に因んで
「かいわれに、 濡れ衣着せた厚生省。 隠していると後で牛々 (ギューギュー)。」

・勧誘電話必殺撃退法
 皆さんは色々な勧誘電話に悩まされていませんか。 今日は特別をもって門外不出の必殺撃退法をお教えしましょう。 当院へも不動産、 株式投資、 美術品、 家庭教師等の会社からよく掛かります。 ところがそう言う物には余り興味が無いので大変迷惑しています。 特にエース○○とか言う会社からが多いのですが、 社名を言うと断わられるので敵もさる者、 最近は社名を告げずに 「大阪の佐藤」 だの、 「同級生の山本」 とか名乗り知人を装って掛けて来ます。 診療時間中は事務員にこの手の電話は繋ぐなと厳命しているので良いのですが、 困るのは昼休みと夜です。
 昼休みの場合は当院は職員が不在な為に、 家内が買物等で留守の時には止むなく小生が直に出ます。 相手は医院で昼間に直に院長が出るとは予想もしていない上に、 小生の声がまた若々しいので必ず電話番のお兄さんと間違われます。 それを逆手に取って相手が 「院長先生はおられますか。」 と言うとすかさず 「済みません。 院長は只今不在です。」 と応えます。 
 しかし、 何回も掛かって来ると電話番のお兄さんを務めるのも大儀になったので、 去年からは昼休みは電話自動応答装置を使ってますが、 効果覿面です。 但し急患からの電話には応じられる様に 「只今休診中です。 急患と医師会関係者はこのままお待ち下さい。 それ以外の方は午後の診療時間に又お電話下さい。」 と流してます。 留守番電話では急患には対応出来ませんので。
 困るのは夜です。 晩飯を食べてほっとしている七時頃から九時頃までに掛かるのが多いですね。急患からの電話かも分からないので必ず家内に出させますが、 強引な会話に困っています。 直ぐに切るとその後、 何回も嫌がらせに掛けて来る悪質な者も少なからずいます。 急患かも分からないので出ない訳には行かず、 その対応に困っていましたが、 最近家内が偶然に良い方法を発見しました。
 それは電話の受話器を取っても相手が何者か分かるまでは暫くは無言でいるのです。 そして 「相手が電話勧誘と分かると、 その後もずっと無言を続けます。」 そうすると相手が気味悪がって電話を切り、 以後掛かって来ません。 小生も実験してみましたが、 効果抜群でした。 無言電話と言えば嫌がらせに掛けられる物と決まっていますが、 逆に電話を受ける方が使えば迷惑な電話の撃退に役立ちます。 正に 「毒には毒を」 ですね。 日頃、 暢気な家内も時には名案を出すものです。

・ 「トロップT」
 先日、 心筋梗塞を疑う患者さんが来院しました。 激しい胸痛が一時間持続し、 ペンタジン筋注に続き、 オピスタン静注をしても改善されません。 心電図と院内緊急検査の白血球、 CPK、心筋トロポニンTは全て正常でしたが、 臨床症状から心筋梗塞を疑い倉敷中央病院循環器内科にCCU救急車をお願いしました。
 この時が倉敷中央病院循環器内科の勧めで数ヶ月前に導入した 「トロップT」 の初出番でした。「トロップT」 は心筋トロポニンT簡易測定 (定性) キットでベーリガー・マンハイム社の製品です。 専用検査機械は不要ですし、 操作簡単で15分で結果が判明します。 既に御存知の方もいるとは思いますが、 お勧めします。
    


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