「少子化対策」
「少子化対策」
児島医師会副会長 三宅 八郎


 さる6月7日の山陽新聞に、かつて当児島看護専修学校主任教員であった難波茂美先生の顔が大きくクローズアップされているに目がとまった。
そこで、彼女が川崎医療福祉大学卒業後、岡山大学大学院教育学研究科を修了し、現在岡山県立大学保健福祉学部講師に就任されているのを初めて知り、驚いた。
 そこでは、「少子化がやってきた−その影響、その対策」をテーマに2ページを割いた特集記事が掲載され、彼女もパネリストとして参加して活発な議論を展開していた。
 ところで、一人の女性が一生に生む子供の数(合計特殊出生率)は平成9年、全国で1.39、岡山はやや多いが1.51にまで下がった。この数字が2.08を割ると人口は減少し、数字上の計算では、このまま推移すれば100年後に日本の人口は半減、さらに250年後には日本人が一人もいなくなるらしい。
 少子、高齢化が急ピッチで進み、平成7年には、65歳以上人口が14歳以下人口を逆転して上回った。これは、先進国では日本だけの現象らしい。
 遅ればせながら、自民・自由・公明三党は次のような少子化対策をめぐる政策協議を進めている。

◆99年度補正予算で措置(2000億)
 *駅前保育所の設置
 *幼稚園での預かり保育実施のための環境整備
 *在宅保育サービス提供者の育成
 *公共施設等への育児コーナー、託児室の設置

◆2000年度予算で措置
 *新しい児童手当制度の創設
 *育児休業期間の延長
 *育児休業手当の積み増し、自営業者への対象拡大
 *低年齢児の保育施設拡充

◆その他
 *児童虐待の緊急実態調査の実施

 なぜ子供を産まない、あるいは産めないのか、子育ての経済的、社会的環境はどうなのか。これらの対策ではとても十分とはいえない。もっと抜本的対策が急がれる。
 スウェーデンでは、早くも1920〜30年代には出生率低下についてさまざまな論議がなされ、その対策が講じられている。
 まず、直接的財政的補助と住宅補助の両方をもって、子供を持つ家庭に対する支援策が開始されている。この時期、母子保健センターなどでも、妊娠中の女性や出産した母親とその子供に対し、予防的・治療的ケアーを無料で行っている。さらに、出産費用も公費で負担されるようになった。
後に、子供を持つ家庭に対する経済支援の一つとして、8歳未満の子供を持つ両親には、付随的な賃金の減少はあるものの、週間労働時間を短縮する権利が認められるようになった。育児休暇中の給料は、どちらかの親が一日中家庭で面倒を見られる場合は一年間支払われる。支給額は病欠有給休暇と同じとする。
 等々の対策により、80年代後半に出生率が急激に上がりはじめたそうである。
 子供達が増えることによって、彼等は高齢者を支えて行く重要な担い手となる。このことが、将来的には国の安定的な発展につながっていくはずである。
 高齢者対策よりも少子化対策のほうがより重要かつ緊急の課題である。


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