話 題 提 供 (1)
山 名 正 俊

 アメリカにUnited Resource Networksという会社があります。 この会社は臓器移植の分野で、 主に小児を対象としたアメリカ国内のネットワークを作っています。 参加しているのは全米で約25病院。 それらは臓器別に分かれていますが、 何れも全米のトップクラスで、 一度は名前を聞いたことのある病院ばかりです。
 1998年6月下旬のある日、 遠縁に当たる一家が来訪しました。 主人はMinneapolis / St.Poulという人口約450万の都市にあるこの会社の支社の副支社長という身分で、 個人的に少し話す機会がありました。 その中でとても興味ある話を聞きましたので、 以下数回に分けて御紹介したいと思います。
その1 臓器移植のお値段は?

United Resource Networks

Mean Transplant Summary
by Organ

All Facilities
Report printed for transplant dates between
1/ 1/ 90 and 3/ 31/ 98
ORGAN CATEGORYCASE COUNTAVERAGE BILLEDAVERAGE PAIDAVERAGE SAVINGSAVERAGE % OF SAVINGSG
BMT(auto) 755 161,569 ドル108,196ドル 53,397 ドル 33
BMT(allo-related) 297 282,422 189,896 92,525 33
BMT(allo-unrelated) 209 326,164 217,780 108,383 33
Heart 167 307,774 192,575 115,199 37
Kidney(CAD)137 98,035 60,207 37,827 39
Kidney(LAD)144 90,261 60,166 30,095 33
Kidney/Pancreas82 153,005 91,353 61,652 40
Liver(CAD)393 275,797 172,968 102,830 37
Lung(Single)49 292,521 187,153 105,368 36
Panceas(CAD)9 94,128 57,881 39,246 42
註: (auto):自己移植、 (allo-related):家族の同種骨髄移植、
   (allo-unrelated):他人の同種移植、 (CAD):死体から、 (LRD):生体から、
   (Single):片側


 日本ではやっと緒に付いたばかりの臓器移植ですが、 アメリカではもう既に競争の世界になっています。 日本では、 一応善意による提供という形式なので、 我々医師ですら臓器移植の費用など考えたこともなく、 勿論想像もつきません。 価格表をそのまま掲載しましたが、 この表を見て驚いたのは、 このネットワークを利用すると移植費用が33〜42%割安になることをアピールしている点です。 安いと見るかはたまた高いと感じるか、 会員諸氏の御意見をお聞かせ願いたいものです。
参考までに、 チョット古いのですが、 先進国?日本と世界の臓器移植の例数比較表を掲載してみました。 国による宗教、 国民性、 考え方などの相違が浮かび上がります。
出典:第16回国際移植学会世界会議
  ヨーロッパ:オーストリー、 ベルギー、 ルクセンブルグ、 オランダ、 ドイツ
  北   欧:デンマーク、 フィンランド、 アイスランド、 ノルウェー、 スエーデン

1) 腎臓移植数
90年9192939495
日本771697612575380289
アメリカ98801012210230110211139211807
ヨーロッパ317133953101329329973064
フランス194919721749178116271644
イギリス187317661768166717281769
北欧803860852928898791

2) 肝臓移植数
90年9192939495
日本1030315180103
アメリカ269029533064345736523923
ヨーロッパ576710765878916928
フランス663697673662626656
イギリス360420507550644687
北欧85128144174183173

3) 心臓移植数
90年9192939495
日本000000
アメリカ210821252171229723402361
ヨーロッパ612806753773698732
フランス636632559526429408
イギリス348299340310328338
北欧79102103122119106

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