短歌
山名智子



 筆談で一人暮らしも気楽だと笑まう媼は八十五歳

 気丈夫に車押しつつ帰りゆく難聴の老いに別れは手話めく

 冬枯れの山は眠りて頂に並ぶ裸木の枝張り強し

 白雪の積もれるがごと朝靄の中に群れ咲く小さき白菊

 広き畑に黒豆の花咲き満ちて触るれば温き黒土光る


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