筆談で一人暮らしも気楽だと笑まう媼は八十五歳
気丈夫に車押しつつ帰りゆく難聴の老いに別れは手話めく
冬枯れの山は眠りて頂に並ぶ裸木の枝張り強し
白雪の積もれるがごと朝靄の中に群れ咲く小さき白菊
広き畑に黒豆の花咲き満ちて触るれば温き黒土光る