短歌と随想
短歌と随想
山 名 智 子




さし伸べしわが手を頼り席につく朝の電車の盲いし人よ

水平線遥かに見えて棚引けるオレンジ色の暁の雲

傘をさし草を引きいる友を見て何やらおかし川柳めきて

夕暮れて仄かに白く夕顔の一輪二輪開き初めけり



 今年の梅雨明けは遅かった。 自分が歳を重ねたせいか、 エルニーニョ現象も多少あるのか高温多湿は相当こたえた。 なるべく楽にこの季節を乗り越えようと、 少し温度を下げた部屋でセッセと団扇に花の絵を描いている。
 上手下手は考えないで、 今までスケッチしておいた庭の草花を、 これはあの友に、 これはあの曽孫が少女になった折に渡して貰おう、 など空想をふくらませていると、 ひとりでに心が和らぐ。
 無地の団扇を探しに時々岡山へも出かける。 ついでに籠り勝ちな心に風通しもしてなど思いながら…。





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