短歌と随想
山 名 智 子
朝風のそよぐ川添いゆくわれの影は川越え向う岸まで
鶴見橋渡りて夢二の歌碑に佇つまてどくらせど詩のなつかし
乗りあわす男女学生と話しつつ上り列車は百間川を渡る
遠住める子の家に来て真夜に聞く貨物列車の長き騒音
ガ ザ え び
夏が近づく頃から瀬戸内海では大きくなったガザえびが魚屋の店先に並びだす。 秋になるともうその姿は見られない。 夏はよく太って味もよい。
何時の頃からか私は遠くに住む息子に茹でて送って遣っている。 ビールのつまみに一番だと思って・・・。 「最高だよ、 ありがとう」 などうれしい言葉が返ってくる。
今年も魚屋に頼んで大きなガザえびを送ることが出来た。 今年限りになるかも、 と毎年思いつつ造るクール宅急便。 時代はずっとさかのぼるが、 私の学生時代、 祖母は近くの餅屋に頼んで 「えびおかき」 をつくって貰い寄宿舎へ送ってくれていた。 杳い日のなつかしい思い出である。